伊藤比呂美と枝元なほみ、猫たちと死と喪失。私たちが忘れてはいけないものは?親友の死と日常、猫との暮らしを綴るエッセイ
親友・ねこちゃんの死を悼む詩人・伊藤比呂美。美しいアセビの花を送り損ねた後、喪失感と向き合い、執筆の苦悩と葛藤を描く。看病、最期の触れ合い、そして愛猫との日常を通して、生と死、人間関係の深さを探求。過去の不義理を反省し、谷川俊太郎との出会いを振り返りながら、深い喪失感と自身の感情に向き合う、魂を揺さぶるエッセイ。
最期の時と温もり
最期の時、ねこちゃんが伊藤さんに伝えた言葉は?
「ひろみちゃんが楽しいんならよかったよ」
最期の時、ねこちゃんとの温かい交流が描かれています。
病状が悪化する中で、伊藤さんはねこちゃんを支え、その死に直面します。

✅ 2025年6月は野良猫の夏バテや、自身の食中毒・夏バテ予防策について触れつつ、勉強会の開催状況と今後の予定について告知しています。
✅ 2025年3月と5月の勉強会では、参加者の嬉しい報告を受けるなど、病気と闘いながらも幸せを掴んでいる人々の姿に触れ、励まされています。また、講演会やイベントの開催報告も行われています。
✅ 2024年12月には、ガンを通じて「本当の自分を本気で生きる」ことへの気づきを得たこと、2025年の初日の出を見て感動したことなど、自然や生活の中から得た気づきや感動を共有しています。
さらに読む ⇒ガン生還者に学ぶ会出典/画像元: http://ganseikansya.moo.jp/hitokoto.php最期の瞬間に、伊藤さんがねこちゃんに触れ、温もりを伝えるシーンは、非常に感動的でした。
人の温かさ、絆を感じます。
ねこちゃんは間質性肺炎を患い、入退院を繰り返しながらも、自らの姿を人に見せることをミッションとして前向きに生きていました。
伊藤さんは、日々のLINEでのやり取りや、写真の送信を通してねこちゃんを支え、義妹のさっちゃんとも連携しながら看病をサポートしていました。
病状は悪化し、痛み止めのオピオイドを使用する段階に。
伊藤さんは熊本から東京へ向かい、病床のねこちゃんを訪れました。
痩せ衰え、呼吸困難に陥ったねこちゃんの姿に、伊藤さんは深い悲しみと、まるで自分が死につつあるような感覚を覚えます。
幼少期の母親との関係から人とのスキンシップを避けていた伊藤さんですが、ねこちゃんの病気をきっかけに触れ合うようになり、その温かさを感じていました。
最期にねこちゃんの額を撫で、「ねこちゃんにさわるの、楽しいね」と伝えた伊藤さんに対し、ねこちゃんは「ひろみちゃんが楽しいんならよかったよ」と応えました。
人の死に際して、ここまで感情を露わにできるのは、ある意味で羨ましい。人間存在の本質に迫るような描写には、深く考えさせられますな。
猫たちとの日常
メイとテイラー、性格真逆な2匹の猫、どんな関係?
甘えん坊メイと、ハンター気質なテイラー!
愛猫との日常が描かれています。
猫たちの個性的な性格や、伊藤さんとの温かい関係が、読者の心を和ませます。

✅ 飼い主の妹と愛猫しまちゃんの触れ合いを隠し撮りしたところ、しまちゃんが普段の飼い主には見せない甘え方をしており、飼い主はジェラシーを感じた。
✅ しまちゃんは妹さんに頭を擦りつけたり、お尻を向けたりとやりたい放題。猫まくらになったり、妹さんの腕から抜けて距離を取ったりしながらも、最終的には寄り添って甘える様子を見せた。
✅ 妹さんのことが大好きなしまちゃんは、二人きりの時間を好み、妹さんが離れようとすると引き止めようとするほど。次のスキンシップの時間を心待ちにしている。
さらに読む ⇒ねこナビ|猫専門メディア出典/画像元: https://nekonavi.jp/archives/82749メイとテイラー、二匹の猫との対比が面白いですね。
どちらも伊藤さんにとって大切な存在であり、日常に彩りを与えているのが伝わってきます。
伊藤さんは熊本で犬2匹と猫2匹と暮らしており、メイは灰色、テイラーは茶色の猫。
メイは甘えん坊で人間によく懐き、行動を真似る賢さを持つ。
抱っこや爪切りもさせてくれます。
一方、テイラーは猫じゃらしに夢中で、外では優れたハンターとして活躍しそうだが、夜はベッドで一緒に寝る。
メイはベッドでは寝ないものの、伊藤さんが起きると現れ甘える。
性格も能力も異なる二匹の猫との日常が描かれています。
過去には、食べ物、猫、木、花、星の話など、伊藤さんとねこちゃんの間には共有された豊かな時間が存在しました。
うちも猫飼ってるから、なんか共感しちゃう!猫って、ホント可愛くて癒やされるよね!あんな風に甘えられたら、もう…たまんない!
不義理と谷川俊太郎さん
伊藤さん、谷川さんとの対話で何を感じた?
谷川さんの偉大さと、人の繋がりを再認識。
尊敬する詩人との関係性や、自身の喪失感について振り返ります。
谷川俊太郎さんのお別れの会を通して、生と死について考えさせられます。

✅ 詩人の谷川俊太郎さんのお別れの会が2025年5月12日(月)16:00から開催され、会場の様子がライブ配信される。アーカイブも1ヶ月間視聴可能。
✅ 渋谷PARCO8階「ほぼ日曜日」で、2025年5月30日(金)から7月13日(日)まで、谷川俊太郎さんを偲ぶ展覧会が開催される。
✅ 展覧会では、谷川俊太郎さんの詩や思い出を楽しみ、「ありがとう」の気持ちを伝えられる場となる。書籍も多数用意される。
さらに読む ⇒ほぼ日刊イトイ新聞出典/画像元: https://www.1101.com/n/s/tanikawashuntaro_owakarenokai/index.html谷川俊太郎さんとの対話、そしてお別れの会での葛藤を通して、伊藤さんが自身の人生を振り返る姿が印象的でした。
不義理という言葉が重いです。
伊藤さんは、過去に多くの人に不義理をしてきたと自省し、尊敬する詩人・谷川俊太郎さんには「不義理」をせずに済んだと安堵。
谷川さんの晩年に親しく対談本を出版したことが幸運だったと言います。
谷川さんのお別れ会でのスピーチを依頼されたものの、大規模な会合と豪華な顔ぶれに圧倒され、谷川さんの偉大さを改めて認識しました。
これまで谷川邸で秘書の方と二人だけで会っていたため、その広がりを忘れていたと振り返っています。
伊藤さんは、ねこちゃんの死に直面できなかった自身を振り返り、深い喪失感と人との繋がり、そして生と死について深く考えさせられています。
不義理か…。わしも、もっと色んな人に会うべきやった、と思ってるわ。後悔しても遅いけどな!
この作品は、親友の死という辛い出来事を通して、喪失感、心の葛藤、そしてそこからの再生を描いた作品でした。
人の心の機微を繊細に描き、読者の心に深く残る作品です。
💡 親友の死を通して、深い喪失感と向き合い、感情と向き合う姿が描かれている。
💡 猫たちとの日常を通して、癒やしと心の温かさを感じられる作品。
💡 尊敬する詩人との関係性を振り返り、生と死について深く考えさせられる。