伊藤比呂美と枝元なほみ、猫たちと死と喪失。私たちが忘れてはいけないものは?親友の死と日常、猫との暮らしを綴るエッセイ
親友・ねこちゃんの死を悼む詩人・伊藤比呂美。美しいアセビの花を送り損ねた後、喪失感と向き合い、執筆の苦悩と葛藤を描く。看病、最期の触れ合い、そして愛猫との日常を通して、生と死、人間関係の深さを探求。過去の不義理を反省し、谷川俊太郎との出会いを振り返りながら、深い喪失感と自身の感情に向き合う、魂を揺さぶるエッセイ。
💡 詩人・伊藤比呂美さんが、親友であり料理家の枝元なほみさんの死を悼み、その喪失感と向き合う姿を描いています。
💡 猫2匹との日常や、谷川俊太郎さんとの関わりを通して、生と死について深く考察し、読者に問いかけます。
💡 アセビの花、最期の時、不義理など、様々なエピソードを通して、人の心の機微を繊細に表現しています。
今回は、詩人・伊藤比呂美さんのエッセイを通して、親友の死、喪失感、そしてそこから立ち直る姿を描いた作品をご紹介します。
アセビの花と親友の死
伊藤比呂美が執筆に集中できなかった理由は?
親友の死を表現することへの抵抗。
伊藤比呂美さんが、親友である料理家の枝元なほみさんの死と向き合う姿が描かれています。
LINEでのやり取りや、義妹との協力など、支え合う姿が印象的です。
公開日:2025/05/16

✅ 詩人の伊藤比呂美さんが、親友である料理家の枝元なほみさん(ねこちゃん)の死について綴っています。
✅ 間質性肺炎を患い、入退院を繰り返していたねこちゃんは、病状をオープンにし、周囲に希望を与えようとしていました。
✅ 伊藤さんはLINEでねこちゃんと連絡を取り合い、義妹のさっちゃんと協力してねこちゃんを支えていました。
さらに読む ⇒婦人公論.jp|芸能、事件、体験告白……知りたいニュースがここに!出典/画像元: https://fujinkoron.jp/articles/-/16673?display=fullねこちゃんの死を通して、伊藤さんの深い悲しみや喪失感だけでなく、自身の感情と向き合う姿が描かれていると感じました。
詩人・伊藤比呂美さんは、『婦人公論』の連載「猫婆犬婆」で、親友である料理家の枝元なほみさん(ねこちゃん)の死を悼んでいます。
二月初旬、伊藤さんは美しいアセビの花を写真に収め、ねこちゃんに送ろうとしますが、彼女の体調が思わしくなく、送るのを躊躇します。
その後、ねこちゃんは亡くなり、伊藤さんは予定通りカリフォルニアへ。
帰国後、葬儀は済んでおり、周囲からはねこちゃんの死を惜しむ声を聞かされます。
しかし、伊藤さんはその声を聞くことを避け、執筆にも集中できなくなりました。
自身の日常から抽出するエッセイですが、「ねこちゃんの死」がその中心にあり、それを表現することに抵抗を感じていたからです。
うーん、なんかちょっと切ない話だね。でも、友達が病気の時に、自分も何かできることってあるかなって考えさせられたかな。
喪失と向き合う日々
伊藤さん、ねこちゃんとの別れで何を感じた?
深い喪失感と、自身の感情との葛藤。
喪失感と向き合い、自身の感情と向き合っていく様子が描かれています。
締切に追われながらも、故郷を思い、喪失から立ち直ろうとする姿が描かれています。

✅ 落語家・立川志の輔が映画初主演、柴咲コウがヒロインを務める映画「ねことじいちゃん」の特報が公開された。
✅ 岩合光昭が監督を務め、妻を亡くした大吉じいちゃん(立川志の輔)と猫のタマの穏やかな日常を描く。
✅ 映画は2019年2月22日から全国で公開され、小林薫、田中裕子、柄本佑らが出演する。
さらに読む ⇒映画.com - 映画のことなら映画.com出典/画像元: https://eiga.com/news/20180808/6/伊藤さんが、故郷で見たアセビの花に、ねこちゃんへの思いを重ねる姿が印象的でした。
過去の経験との比較も、彼女の心の葛藤を浮き彫りにしています。
連載の締切が迫る中、伊藤さんは苦しみながらも、ねこちゃんに送る予定だったアセビの花の写真を選び、時代劇の話で締め切りを乗り切ります。
故郷に戻り、満開のアセビの花を見て、ねこちゃんに見せたかった、一緒に見たかったという思いを強くします。
振り返ると、ねこちゃんは病気のことで精一杯で、伊藤さんの話を聞く余裕がなく、また、伊藤さんはねこちゃんを煩わせることを恐れて、つらい経験を打ち明けられなかったといいます。
伊藤さんは過去の親の死に際の対応と比較し、自身の感情のあり方に葛藤します。
涙を流さない自分の冷酷さも自覚しながら、ねこちゃんの死を通して、深い喪失感と向き合い、自身の感情と向き合っていく様子が描かれています。
ええ話やないか!わしも昔、親しい人に先立たれた経験があるから、伊藤さんの気持ち、よーわかるわ!
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愛猫の死と向き合う中で、喪失感、人との繋がり、生と死を深く考える。過去と現在が交錯する、心揺さぶる感動の物語。