隈研吾建築はコロナ禍で変わる?未来の都市と建築のあり方を考える隈研吾建築の哲学とは!?
💡 隈研吾氏は、自然と技術、人間の新しい関係を切り開く建築を提案している
💡 コロナ禍が突きつけた現代建築の課題とは?
💡 隈研吾氏が提唱する新たな建築のあり方とは?
それでは、第一章、隈研吾氏の経歴と業績について詳しく見ていきましょう。
建築家・隈研吾氏の経歴と業績
それでは、第一章、隈研吾氏の経歴と業績について詳しく見ていきましょう。
公開日:2020/05/26
✅ 隈研吾教授は、大学は建築史の検証や自身の活動の基準となる場所であり、一方、実務家としての社会との接点が重要な交流の場だと考えている。
✅ 東大での教育では、実務と大学との交流を重要視し、学生や助教と事務所の所員が一緒にコンペやパビリオン制作に取り組むなど、実践的な学びの機会を提供してきた。
✅ 特に印象深いプロジェクトに、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館で制作した竹のパビリオン「竹わ」を挙げ、パビリオン制作を通して学生と双方向的な学びを実現したと述べている。
さらに読む ⇒東大新聞オンライン - 「東大の知をひらく」 東京大学新聞は、東大の学生により編集されるメディアです出典/画像元: https://www.todaishimbun.org/kuma_kengo20200525/学生と双方向的な学びを実現したというのは、とても素晴らしいですね。
隈研吾氏は、1954年生まれの日本の建築家で、東京大学名誉教授。1990年に隈研吾建築都市設計事務所を設立し、自然と技術、人間の新しい関係を切り開く建築を提案している。国内外で50を超えるプロジェクトを手がけ、主な著書に「日本の建築」「全仕事」「点・線・面」「負ける建築」などがある。教育・研究活動では、東京大学特別教授、岡山大学特別教授、早稲田大学特命教授、高知県立林業大学校校長などを歴任し、数々の受賞歴を持ち、TIME誌「影響力のある100人」にも選出されている。
えーっと、なんかすごい人なんだね…
へぇー、大学ってそんなとこもあるんや。
なるほど、実践的な学びの重要性を認識されているようですね。
コロナ禍が突きつける現代建築の課題
続いて、第二章、コロナ禍が突きつける現代建築の課題についてお話します。
✅ 後藤正文と隈 研吾は、コロナ禍における住宅や都市開発のNEW NORMALについて語り合った。
✅ 隈研吾は、3.11の経験から、建築が自然の力の前では脆く、人工的なシステムのもろさを痛感したと述べ、コロナ禍でさらにその認識が深まったと語った。
✅ 隈研吾は、閉じた箱である超高層ビルや電車などの公共交通機関が、コロナ禍で多くの人々にとって不幸をもたらした可能性を指摘し、オープンな空間やIT技術を活用した働き方を提唱した。
さらに読む ⇒J-WAVE NEWS | 音楽、映画、エンタメ「ここだけの話」 | J-WAVE 81.3 FM出典/画像元: https://news.j-wave.co.jp/2020/06/post-6155.htmlコロナ禍で、建築のあり方が大きく変わっていく可能性を感じますね。
現代建築は、20世紀型の閉じた箱型の構造が主流でしたが、新型コロナウイルスの流行によりその脆弱性が露呈しました。建築家・隈研吾氏は、閉じた箱から解放され、環境や文化に溶け込む、人に優しい建築の必要性を訴えています。人類は、安全を求めて箱型の建築を創造してきましたが、20世紀モデルは、閉鎖的な空間の効率性を重視し、都市と人間の生活様式を変化させました。しかし、コロナ禍は、閉じた空間の脆さを露呈させ、新たな建築のあり方を求める声が高まっています。
うーん、なんか怖い話だな…
コロナ禍で、建築にも影響が出てたんや。知らんかったわ。
コロナ禍は、閉鎖的な空間の限界を露呈させましたね。
隈研吾氏が提唱する新たな建築のあり方
第三章では、隈研吾氏が提唱する新たな建築のあり方についてお話します。
✅ 隈研吾氏は、過去の災害が都市や建築に大きな影響を与え、より強く、大きなものへと進化させてきた歴史を振り返る。リスボン大地震、シカゴ大火、関東大震災といった大惨事が、都市計画や建築様式に大きな変化をもたらし、近代的な都市モデルへと導いてきたと説明する。
✅ しかし、コロナ禍は過去の災害とは異なる影響を与えていると隈氏は指摘する。過去の災害が都市や建築を強く、大きくする方向に導いたのに対し、コロナ禍は人々のライフスタイル自体を見直す契機となり、従来の「強く、大きなハコ」に閉じ込められた都市モデルの限界を感じさせるという。
✅ 特に、コロナ禍によって、オフィスや都市への集中が効率的とは限らず、リモートワークや分散型の働き方が注目されるようになった。都市モデルは、効率性や衛生面だけでなく、人々の生活の質や精神的な豊かさも考慮する必要があると、隈氏は提言している。
さらに読む ⇒書評まとめ読み!本の総合情報サイト | Book Bang -ブックバン-出典/画像元: https://www.bookbang.jp/article/630684過去の災害とは異なる影響を与えているというのは、興味深いですね。
隈氏は、建築は人間の生活を形作る一方、人間を束縛する側面もあると指摘します。現代社会は、空調完備の密閉空間を当たり前としてきましたが、コロナ禍をきっかけに、自然との調和を重視した通風型の建築や、公共空間との一体化が重要になってくると考えられています。これからの建築は、閉じた箱から解放され、人間と自然、都市と地域が調和する空間を目指すべきです。具体的には、通気性の良い建築、公共空間と一体化した住環境、仕事と生活の融合など、新たな生活様式に対応した建築が求められます。隈氏は、建築を通して、人間と環境が共存できる持続可能な社会の実現を目指しています。
えーっと、なんかよくわかんない…
コロナ禍で、リモートワークが増えたから、建築も変わっていくんかな?
コロナ禍は、都市モデルの限界を浮き彫りにしました。
自然と調和する隈研吾建築のデザイン哲学
第四章では、自然と調和する隈研吾建築のデザイン哲学についてお話します。
✅ ダンディー・ヴィクトリア&アルバート美術館は、スコットランド初のデザイン美術館として、スコットランド北部の都市ダンディーのウォーターフロントに建設されました。オークニー諸島の崖をヒントにしたプレキャストコンクリートのバーを積み重ね、水平に貫通する大きな孔(洞窟)を設けることで、都市と自然をつなぐ空間を実現しました。
✅ 建物の中央にある孔は、都市の中心軸であるユニオン・ストリートとテイ川の美しい自然を繋ぎ、かつて倉庫群によって分断されていたウォーターフロントと都市との再接続を実現しました。この孔は、日本の神社の鳥居からヒントを得たもので、歩行者のための回遊空間としてウォーターフロントを復活させました。
✅ 美術館内部では、パネルをランダムに取り付けることで、地形のようなおおらかであたたかい空間を創造しました。上に向かって広がっていくユニークな断面形状と相まって、通常の美術館のホワイエとは異なる拡がりと開放感を獲得しており、コンサートやパフォーマンスなど、市民の交流の中心となるコミュニティのLiving Roomとして利用されています。
さらに読む ⇒隈研吾建築都市設計事務所 - 東京、パリ、上海 & 北京出典/画像元: https://kkaa.co.jp/project/va-dundee/都市と自然をつなぐ空間という発想が素敵ですね。
隈研吾氏は、東京オリンピックのメイン会場である高輪ゲートウェイ駅やヴィクトリア&アルバート美術館のダンディー分館など、世界中で注目される建築を手がけています。彼は自然への敬意を込めて、建築に木材をよく使用し、自然の組織を模倣することで、周囲の環境との調和を生み出しています。Numéro誌のインタビューでは、木材を「魔法」と表現し、空間を落ち着かせ、心を穏やかにする効果があると述べています。また、スコットランドの海岸にそびえる断崖をイメージしたダンディー分館では、板状のコンクリートを用いて岩石の地層を模倣しています。彼は、厚い壁ではなく、薄い仕切りを用いることで、閉塞感を感じさせない開放的な空間を創出しています。これは現代社会におけるセキュリティの必要性と、視線を和らげる効果を考慮した設計手法であり、都市化計画にも応用できる考え方だと語っています。さらに、隈研吾氏は、日本建築の伝統である「ハーモニー」を追求し、建築と環境、人間と建築物の調和を重視しています。木材や自然組織の模倣は、このハーモニーを生み出すための要素であり、日本の障子や網代、揚簀戸などの伝統的な建築様式からも影響を受けています。彼の建築は、木材、自然組織の模倣、薄い仕切りの使用など、日本建築の伝統と現代社会のニーズを融合させた、独自のスタイルと言えるでしょう。
なんか、かっこいい建築だね!
へぇー、日本の神社の鳥居をヒントにしたんや。知らんかったわ。
建築は、自然や文化との調和こそ重要ですね。
隈研吾建築が描く未来の社会
第五章では、隈研吾建築が描く未来の社会についてお話します。
公開日:2021/07/26
✅ 隈研吾氏は、高知県梼原町での木造建築の経験を通して、木という素材の可能性に目覚め、建築の表現や利用者の心理的効果、環境問題への配慮といった新たな視点を得た。
✅ 新潟県長岡市の複合施設「アオーレ長岡」では、伝統的な日本建築の思想を取り入れ、自然の風を利用した半屋外空間「ナカドマ」を設けることで、サスティナブルな建築を実現している。
✅ 隈研吾氏は、東京国立近代美術館の建築展で、猫の視点から都市を考える提案「都市の未来はネコに学べ」を発表し、人間中心の視点ではなく、異なる視点から都市のあり方を考えることの重要性を示唆している。
さらに読む ⇒Sustainable Japan by The Japan Times出典/画像元: https://sustainable.japantimes.com/jp/magazine/07異なる視点から都市を考えることの重要性を示唆しているのは、興味深いですね。
隈研吾さんは、木を素材に「和」をデザインする、世界的に有名な日本の建築家です。代々木体育館に感銘を受けた経験から建築家を志し、新国立競技場や歌舞伎座など数々の傑作を生み出しています。2020年は東京オリンピック・パラリンピック開催と隈研吾建築都市設計事務所設立30周年の節目の年であり、常に新陳代謝を大切にする彼の哲学が光る一年となりました。事務所では、外国人を積極的に採用することで、異文化から生まれる新たなアイデアを積極的に取り入れています。スペインのバルセロナにあるCAMPERの店舗では、カタルーニャの建築工法を取り入れ、スペインと日本の文化を融合させたデザインを実現しています。隈研吾さんの代表的な建築作品には、九州芸文館、スターバックスコーヒー太宰府天満宮表参道店、無印良品「窓の家」などがあります。九州芸文館は、筑後地域から世界に向けて芸術文化を発信する拠点として、木質化を積極的に採用した建築です。スターバックスコーヒー太宰府天満宮表参道店は、約2000本の杉材を用いて、太宰府の歴史と現代を融合させた美しい空間を生み出しています。無印良品「窓の家」は、窓を通して世界を感じられる空間を追求した住宅です。隈研吾さんは、建築を通して、その土地の文化や歴史を理解し、現代社会に新しい価値観を生み出すことを目指しています。
隈研吾さんって、すごい人なんだね!
隈研吾さんの建築は、なんか癒されるわー。
木を素材に「和」をデザインする、という発想は素晴らしいですね。
本日は、隈研吾氏の建築についてお話しました。
💡 隈研吾氏は、自然と技術、人間の新しい関係を切り開く建築を提案している
💡 コロナ禍が突きつけた現代建築の課題は、閉じた箱型の構造の限界
💡 隈研吾氏は、自然と調和した、人に優しい建築の必要性を訴えている