中上健次と小野正嗣:文学的遍歴と表現の探求?中上健次、小野正嗣、西加奈子:文学賞受賞と作品紹介
中上健次の未完の短編『宇津保物語』を軸に、故郷・熊野への眼差しと文学的深層を探る。差別の土地としての熊野描写、古典からの影響、講演録とルポルタージュが示す創作基盤を解説。さらに、小野正嗣の芥川賞受賞作に見る文学的遍歴、蒲江への回帰と文体変化、読者への意識。西加奈子の直木賞受賞にも触れ、二人の作家の才能と今後の活躍に期待。

💡 中上健次の未完の古典解釈と、作家独自の文体と熊野を舞台とした作品世界を紹介。
💡 小野正嗣の文学的遍歴、蒲江からフランス留学、そして帰郷を通しての変化を解説。
💡 芥川賞と直木賞の受賞を通して、小野正嗣と西加奈子の才能を改めて評価する。
本日は、中上健次、小野正嗣、西加奈子といった作家たちの作品を通して、彼らの文学的な世界観と表現方法を探求していきます。
『宇津保物語』:中上健次の未完の古典解釈
中上版『宇津保物語』、熊野を舞台にした理由は?
差別された人々の土地、熊野を表現するため。
中上健次の未発表短編『宇津保物語』を中心に、彼の文学的アプローチを掘り下げます。
古典への着想、中上独自の文体、そして熊野を舞台とした作品世界を紐解きます。
公開日:2020/06/22

✅ 中上健次の短編小説集「中上健次集 九 宇津保物語、重力の都、他八篇」が2013年4月26日に発売されました。
✅ 単行本未刊行の「宇津保物語」と「重力の都」を含む重要短編八篇を収録した決定版で、作家自身の関連エッセイ、安藤礼二の解説、創作ノートなどが収められています。
✅ 装幀は間村俊一、写真は港千尋が担当し、20頁の月報と二色口絵が付属しています。
さらに読む ⇒INSCRIPT Critique, Theory & Literature出典/画像元: https://inscript.co.jp/b2/978-4-900997-36-3中上健次集に収録された短編群は、作家の多様な表現力を示していますね。
未完の『宇津保物語』への興味が尽きません。
古典を基にした物語を熊野の地で表現する試み、大変興味深いです。
今回の論考の中心となるのは、中上の未完の短編『宇津保物語』。
平安時代の古典を基にしたこの作品は、中上独自の濃厚な文体で描かれています。
主人公の藤原仲忠は琴の名手であり、物語は「ほら穴」での生活、都での活躍、そして娘への継承へと展開します。
中上は、この物語の舞台を熊野に置き換えることで、天皇制支配とは対照的な、差別された人々の土地としての熊野を表現しようと試みました。
中上は、この作品の本質を「空虚さ」と捉え、古典作品が自身の創作の「原液エキス」としての役割を果たしていると考察しています。
うーん、ちょっと難しい話もあったけど、中上さんってすごいんだなって思いました!『宇津保物語』、読んでみたいなあ。
中上健次の文学的基盤:講演録とルポルタージュ
中上健次の文学の基盤は何?故郷への眼差し?
講演録とルポ、故郷への深い眼差し。
中上健次の文学的基盤を形成する、講演録とルポルタージュに焦点を当てます。
故郷への深い眼差しと、そこに生きる人々への共感を読み解き、中上文学の本質に迫ります。
公開日:2012/06/18

✅ 作家・中上健次は、故郷・新宮市の春日地区(被差別部落)を舞台にした作品を多く執筆し、実在の人物をモデルにした登場人物を登場させた。
✅ 中上健次は幼少期に春日地区の「路地」で育ち、その経験が小説家としての活動の原点となり、差別や貧困を描いた。
✅ 中上健次は、自身が育った「路地」を、多情多恨な人々が生きる場所として描き、そこでの出来事や人々の姿を小説を通して表現した。
さらに読む ⇒伝記ステーション Art Bird Books出典/画像元: https://syncrokun.hatenadiary.org/entry/20120619/1340122093講演録とルポルタージュが中上文学の基盤とのこと、納得です。
故郷への深い愛情と、そこから生まれる作品の力強さ、表現の源泉を感じますね。
中上健次は、1978年に新宮市で部落青年文化連続公開講座を開催し、その講演録「開かれた豊かな文化」の中で『宇津保物語』について語りました。
文芸評論家の高澤秀次は、この講演録とルポルタージュ『紀州木の国・根の国物語』を、中上文学の創作を支える基盤であると評価しています。
これらの作品を通じて、中上文学の深層にある、故郷への深い眼差しと、そこに生きる人々の姿が浮かび上がってきます。
中上健次はん、自分のルーツをこんなにも大切にしてはったんやなあ。講演録とか、ぜひ読んでみたいわ。もしかしたら、ええ漫才のヒントがあるかもしれん。
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芥川賞作家・小野正嗣『水死人の帰還』。故郷・蒲江への回帰と文体進化。奇妙な出来事と人間模様を描く、珠玉の短篇集。西加奈子との対比にも注目。