蘭奢待とは?権力者たちが追い求めた香木の秘密(?)天下人だけが触れることを許された香木「蘭奢待」の歴史
東大寺正倉院に眠る、権力の象徴「蘭奢待」。聖武天皇の遺愛の香木は、時の権力者たちに切り取られ、その所有がステータスとなった。織田信長もその一人。現存する切り口は、歴史の証人。現代では真清田神社の宝物として、その姿を留める。香木「蘭奢待」を巡る、壮大な歴史ロマン。信長の行動から、新たな時代小説の可能性まで。
💡 蘭奢待は、東大寺正倉院に保管されている香木で、権力の象徴として扱われ、歴史上の人物たちが切り取って所持していた。
💡 織田信長は蘭奢待を切り取ることで権威を示し、その行為が天皇との関係や寺院との摩擦を生み、歴史的な事件となった。
💡 現在、蘭奢待は真清田神社に一部が所蔵され、その歴史的価値と、権力との繋がりは、現代にも影響を与えている。
それでは、その謎に迫るべく、蘭奢待の歴史と、権力者たちとの関わりについて、詳しく見ていきましょう。
蘭奢待:権力の象徴
蘭奢待はどんな歴史的価値を持つのか?
権力の象徴
蘭奢待はまさに、時の権力者たちが己の力を誇示するために欲した品だったんですね。

✅ 「蘭奢待」は、東大寺正倉院に保存されている日本最大の香木で、聖武天皇の遺愛の品だとされています。出自や伝来は不明ですが、中国からの献上品や弘法大師が持ち帰ったものなど、様々な説があります。
✅ 歴代の権力者たちは、蘭奢待を切り取って所有することで権力を示し、「蘭奢待を持つ者=天下人」という伝説が生まれました。特に織田信長は、その伝説を利用して天下統一をアピールし、蘭奢待の価値を高めました。
✅ 蘭奢待は現在、過去に50回程度切り取られた跡があり、その価値は国や城に匹敵するとされ、日本の歴史における権力と文化の象徴となっています。
さらに読む ⇒梅薫堂出典/画像元: http://www.baikundo.co.jp/wordpress/ranjatai/蘭奢待は、見た目の美しさだけでなく、その香りが人々を魅了し、権力者の心を掴んだのでしょう。
その歴史的背景を知ると、さらに興味深いです。
蘭奢待は、東大寺正倉院に保管されている、全長1.5m、最大直径43cm、重量11.6kgの貴重な香木です。
東南アジアで産出される沈香の一種であり、聖武天皇の遺愛の品として、光明皇后が東大寺に奉献したとされています。
その香りは「古めきしずか」と称され、紅沈香と並び権力者に重宝されてきました。
蘭奢待は、歴代の天皇や将軍たちが、手柄を立てた者に切り取って与えることで、その所有が権力の象徴とされてきました。
足利義満、足利義教、足利義政、土岐頼武、織田信長、明治天皇など、数々の権力者が蘭奢待を切り取り、その跡は現在も残っています。
蘭奢待は、その歴史的価値と希少性から、現代においても貴重な文化財として大切に保管されています。
すごい!なんか、教科書で見たことあるような単語が出てきて、歴史って面白いなって思いました!
信長の蘭奢待
信長は何を天皇から切り取る許可を得た?
蘭奢待
信長、やりよりますねぇ。
天皇に許可を取ってまで蘭奢待を手に入れようとしたなんて、まさに天下人!。
公開日:2022/03/24

✅ 織田信長が天下第一の香「蘭奢待」を東大寺から切り取ろうとした事件は、信長の権力と寺院の苦悩、そして天皇の怒りという複雑な要素が絡み合った出来事であった。
✅ 信長は、天皇に譲位を促した後、東大寺に蘭奢待を拝見したいと申し出た。東大寺は、信長の功績を認めながらも、歴史と伝統を守るため、開封儀式を遵守する条件で了承した。
✅ しかし、この事件は天皇を激怒させ、信長、二条晴良、興福寺を厳しく批判する内奏状が提出された。信長の蘭奢待への執着と、寺院の苦渋の決断、そして天皇の怒りが、当時の権力闘争と社会情勢を如実に反映している。
さらに読む ⇒信長與朝廷③——切取蘭奢待–戰國協奏曲出典/画像元: https://sengokuconcerto.net/2022/03/15/%E5%88%87%E5%8F%96%E8%98%AD%E5%A5%A2%E5%BE%85/信長の行動は、当時の権力闘争を象徴していますね。
寺院との関係や天皇の怒りなど、様々な要素が絡み合い、歴史の面白さを感じます。
織田信長は、天正2年(1574年)に、正親町天皇から蘭奢待を切り取る許可を得ました。
信長は、蘭奢待を多聞山城に持ち帰り、家臣たちに披露しました。
その後、足利義政が切り取った跡の横1寸8分(約5.5cm)ほどを切り取りました。
信長は使者を立てて事前に申し入れ、勅使を伴って東大寺を訪れ、僧侶によって蘭奢待を切り取らせ、そのうちの一片を天皇に献上しました。
信長は蘭奢待だけでなく、別の名香木「全浅香」も拝見しましたが、前例がないことを理由に切り取らなかった点は、信長の慎重さを示しています。
信長さん、すごい熱意やね!でも、なんでそんなに蘭奢待にこだわったんやろ?
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信長が切り取った蘭奢待!歴史的価値と権力者の思惑が交錯。真清田神社に現存する香木を辿る旅。時代背景と社会状況から信長の真意に迫る。