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『東京の生活史』は、どんな本?社会学者・岸政彦氏に迫る聞き取り調査の集大成とは!?

『東京の生活史』は、どんな本?社会学者・岸政彦氏に迫る聞き取り調査の集大成とは!?

📘 この記事で分かる事!

💡 社会学者・岸政彦氏が、150人の東京市民への聞き取り調査を通して、街の多様性と複雑さを描いた書籍『東京の生活史』

💡 東京の生活史を語る150人のインタビューを通して、普段は目にする機会が少ない人々の経験も語られています

💡 岸政彦氏は、この本を通して、東京という街のリアルな姿を浮き彫りにしようと試みています。

それでは、岸政彦氏と『東京の生活史』について、詳しく見ていきましょう。

生活史研究家、岸政彦氏の歩み

それでは、岸政彦氏の歩みについて詳しく見ていきましょう。

東京の生活史 岸政彦編 :東京新聞デジタル
東京の生活史 岸政彦編 :東京新聞デジタル

✅ 本書は、東京で暮らした経験を持つ150人の人々のインタビュー集で、多様な人生の断片が収められています。語り手は国籍、年齢、職業など様々で、それぞれの視点から東京という街を語っています。

✅ インタビューを通して、空襲の体験、汚染された河川、街の変化など、様々な東京の姿が浮かび上がってきます。また、手話や沖縄出身者への差別、性的少数者、刑務所生活など、普段は目にする機会が少ない人々の経験も語られています。

✅ 本書は、東京という街の多面的で複雑な側面を浮き彫りにし、読者に様々な視点からの気づきを与えてくれます。一見当たり前のように思える東京の風景や社会問題を、新たな角度から考えるきっかけを与えてくれるでしょう。

さらに読む ⇒東京新聞 TOKYO Web出典/画像元: https://www.tokyo-np.co.jp/article/141234

聞き書きを通して、様々な人生が見えてくるんですね。

とても興味深いです。

社会学者の岸政彦氏は、幼い頃から聞き書きを集めた書籍に憧れ、社会学者になったのも、生活史を聞き取りやすいからだと語っています。

最初の単著『同化と他者化戦後沖縄の本土就職者たち』では、7人の生活史を詳細に収録したところ、読者から好評を得ました。

その後、学生と共同で行った生活史聞き取りをまとめた『街の人生』を出版し、生活史モノグラフの商業出版の可能性を示しました。

岸氏は、自身の研究や教育経験を積み重ね、2021年に一般公募で150人の聞き手を集め、彼らの生活史をまとめた『東京の生活史』を出版しました。

この本は厚さ6.5cm、重さ1.4kgと分厚く、値段も高価ですが、ベストセラーとなり、毎日出版文化賞と紀伊國屋じんぶん大賞を受賞しました。

その後、本土復帰50周年を記念して『沖縄の生活史』が出版され、さらに『大阪の生活史』も刊行されました。

岸氏は、これらの『街の生活史』シリーズを通して、これまであまり語られることのなかった、日常的な生活を送る人々の声を届けることを目指しています。

150人は多いわ!それだけたくさんの人の人生が詰まっとるんやな。

『東京の生活史』誕生秘話

では、次に『東京の生活史』誕生秘話についてお話しましょう。

1216頁のボリュームで語られる、 東京で150人が暮らした生の記録『東京の生活史』

公開日:2022/09/09

1216頁のボリュームで語られる、 東京で150人が暮らした生の記録『東京の生活史』

✅ 「東京の生活史」は、社会学者である岸政彦氏が150人の聞き手と150人の話し手によるインタビューをまとめた壮大なスケールの書籍です。

✅ 本書は、聞き手が話し手を自由に選び、誘導することなく、それぞれの東京での生活史を語り尽くした生の記録であり、戦後から現代まで、さまざまな時代の東京と人々の関わり合いが、具体的なエピソードを通して鮮やかに描かれています。

✅ 150人それぞれの暮らしのディテールは曖昧さと精密さを併せ持ち、小説や映画とは異なる生の語りの豊かさに圧倒され、150万字にも及ぶ膨大なインタビューから、東京という街の多様性と複雑さを体感することができます。

さらに読む ⇒Pen Online出典/画像元: https://www.pen-online.jp/article/009379.html

150人分のインタビューをまとめたなんて、すごいですね。

岸政彦さん編『東京の生活史』は、百五十人の聞き手が百五十人の東京市民の生活をインタビューした書籍です。

本書は、シンプルな装丁に、聞き手のプロフィールや要約を排除することで、読者自身の解釈に委ねています。

岸さんは、本書を二十五年かけて作り上げた集大成と位置付けており、生活史の聞き取り調査の魅力を一般に伝えたいと考えています。

聞き手には五百人から公募を行い、選ばれた百五十人は、インタビューの研修を受け、積極的に受動的な姿勢で聞き取りを行いました。

本書は、インタビュー内容をそのまま掲載することで、語り手の生の声を届け、読者にそれぞれの東京を想像させてくれます。

インタビュー形式で、生の声が伝わってくる点が素晴らしいですね。

岸政彦氏が語る東京への再発見

では、最後に岸政彦氏が語る東京への再発見についてお話します。

著者の窓 第12回 ◈ 岸 政彦『東京の生活史』

公開日:2022/01/07

著者の窓 第12回 ◈ 岸 政彦『東京の生活史』

✅ 「東京の生活史」は、150人の聞き手が150人の東京での生活についてインタビューした内容をまとめた本で、シンプルな装丁と語り手のプロフィールを省略していることが特徴です。

✅ 本書は、聞き手の積極的な受動性を重視し、インタビューを通じて聞き手の心の琴線に触れる部分を捉え、そのまま文章にすることを目指しています。

✅ 編者は、本書を25年かけて作り上げた集大成と位置づけ、聞き手を公募し、インタビューの方法や文章作成について、具体的に指導を行いました。

さらに読む ⇒小学館の小説ポータルサイト 小説丸出典/画像元: https://shosetsu-maru.com/interviews/their-window/12

浜松町ですか。

意外ですね。

でも、確かに個性的な街ですよね。

社会学者の岸政彦さんは、長年大阪と沖縄を拠点に活動してきましたが、最近東京と「出会い直した」と語ります。

大学時代から大阪に住み、沖縄を調査フィールドとしてきた彼は、東京を「遠くにある抽象的な存在」と感じていたそうです。

しかし、メディアや出版の仕事で東京へ行く機会が増え、街のリアルな姿を目の当たりにしたことで、東京への興味が深まりました。

岸さんは、東京の「普通の人」の生活史を聞き取り、東京のイメージを覆したいと考えています。

キラキラした東京ではなく、工場や建築現場、小さな会社で働く人、地方から移り住んだ人など、様々な人々の声を集め、「何の特徴もない街の美しさ」を描きたいと語っています。

特に彼は、浜松町という街に強い興味を抱いています。

ファストフード店やチェーン店が立ち並ぶ、特徴の少ない街の魅力に惹かれ、東京で一番好きな場所だと明かしています。

岸さんは、東京という街を様々な角度から見つめることで、新しい視点と発見をもたらすことを目指しています。

彼の「東京の生活史」プロジェクトは、私たちが普段見過ごしがちな、東京のリアルな姿を浮き彫りにするかもしれません。

へぇー、東京って意外なとこもあるんだね。今度行ってみよっかな。

本日は、社会学者・岸政彦氏と『東京の生活史』についてご紹介しました。

🚩 結論!

💡 社会学者・岸政彦氏による聞き取り調査をまとめた、東京の多様性と複雑さを描く書籍

💡 150人の東京市民の生活史を通して、街のリアルな姿を浮き彫りにする

💡 岸政彦氏が、東京への再発見を通して、私たちに新たな視点を与える