全身性アミロイドーシスってどんな病気?とは!?
💡 全身性アミロイドーシスは、タンパク質の異常な蓄積によって引き起こされる疾患です。
💡 様々な臓器に影響を及ぼし、重症化すると生命に関わる可能性があります。
💡 早期発見と適切な治療が重要です。
それでは、全身性アミロイドーシスの概要について詳しく解説してまいります。
全身性アミロイドーシスの概要
全身性アミロイドーシスは、様々な原因によって生じることがわかりました。
✅ アミロイドーシスは、タンパク質の折りたたみ異常によって生じるアミロイド線維が組織や臓器に沈着・蓄積することで引き起こされる疾患群の総称です。
✅ アミロイド線維は分解されにくいため、体内に蓄積し、臓器障害を引き起こします。
✅ アミロイドーシスは早期診断と適切な治療が重要で、放置すると生命を脅かす可能性があります。
さらに読む ⇒遺伝性ATTRアミロイドーシス(FAP).jp出典/画像元: https://hattramyloidosis.jp/disease-background/amyloidosis/what-is-amyloidosisアミロイド線維が分解されにくいというのは、本当に怖いですね。
全身性アミロイドーシスは、アミロイドと呼ばれる異常蛋白質が全身の様々な臓器に沈着し、機能障害を起こす病気の総称です。複数の臓器に沈着する全身性と、特定の臓器に沈着する限局性に分けられます。代表的な全身性アミロイドーシスには、免疫グロブリン性アミロイドーシス(AL/AHアミロイドーシス)、野生型トランスサイレチン(ATTRwt)アミロイドーシス、遺伝性トランスサイレチン(ATTRv)アミロイドーシス、AAアミロイドーシス、透析(Aβ2M)アミロイドーシスなどがあります。このうちAL/AHアミロイドーシス、ATTRwtアミロイドーシス、ATTRvアミロイドーシスの3つは指定難病に指定されています。一方、限局性アミロイドーシスとしては、アルツハイマー病、脳アミロイドアンギオパチー、プリオン病などの脳アミロイドーシスが代表的です。
えーっと、難しい言葉がいっぱい出てきて、ちょっとよくわかんないんですけど…
アミロイド線維って、分解されにくいんか。そりゃあ、怖いわ。
アミロイド線維の蓄積は、まさに細胞レベルでの戦いですね。
患者の数と症状
では、続いては患者の数と症状についてお話ししましょう。
✅ 認知症は高齢化社会における重要な課題であり、2025年には65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症になると推計されています。中でもアルツハイマー病が最も多く、現在の保険適応内の検査では確実な診断が難しいのが現状です。
✅ 近年、ベーターアミロイドとタウ蛋白の脳内蓄積を検出できる新しい認知症PET検査が開発され、アルツハイマー病の診断精度向上が期待されています。この検査は、まだ研究段階で保険適応外ですが、脳の病理解剖を行わなくても、脳内の2つのゴミの蓄積が確認できるようになりました。
✅ 慶應義塾大学病院では、認知症患者さんを対象に、この新しい認知症PET検査を実施し、その情報を認知症研究に活用しています。この研究は、アルツハイマー病の根本治療薬開発につながる可能性を秘めており、認知症診療の向上に大きく貢献すると期待されています。
さらに読む ⇒KOMPAS - 慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト出典/画像元: https://kompas.hosp.keio.ac.jp/sp/contents/medical_info/presentation/201910.html認知症は、高齢化社会における大きな問題ですね。
患者数は疾患によって異なりますが、AL/AHアミロイドーシス、ATTRvアミロイドーシスは数百人、AAアミロイドーシスは数千人、Aβ2Mアミロイドーシスは1~2万人、ATTRwtアミロイドーシスは約3000人と推測されています。アルツハイマー病は国内に約500万人存在し、高齢化社会の進展とともに増加傾向にあります。原因は、アミロイド形成の原因となる蛋白質の種類によって異なりますが、アミロイドが臓器に沈着することで発病することがわかっています。症状は、心臓の障害、腎臓の障害、胃腸の障害、神経の障害など、臓器によって様々です。アルツハイマー病では認知症症状、脳アミロイドアンギオパチーでは脳卒中などの症状がみられます。
えーっと、アルツハイマー病って、みんななるのかな?
5人に1人って、ほんまに多いなぁ。みんな、気をつけなあかんわ。
認知症の早期発見は、予防に繋がりますね。
治療法と経過
それでは、治療法とその経過について見ていきましょう。
✅ ATTRアミロイドーシスは、TTR遺伝子の変異や加齢などが原因で全身機能障害を引き起こす神経難病であり、従来は治療選択肢が限られていました。
✅ 近年、複数の新薬が臨床導入され、早期発見による疾患進行抑制が期待できるようになりました。
✅ 国内では2022年後半に新薬の登場が見込まれており、開発中の薬剤に対する期待が高まっています。
さらに読む ⇒医療・医学ニュース メディカルトリビューン | Medical Tribune出典/画像元: https://medical-tribune.co.jp/news/2022/0616546035/新薬の登場は、患者さんにとって大きな希望ですね。
治療法は、従来は対症療法が中心でしたが、近年では根治的な治療法も開発されています。FAPに対する肝臓移植やタファミジスの投与、ALアミロイドーシスに対する自己末梢血幹細胞移植を併用した大量化学療法、AAアミロイドーシスに対する抗リウマチ薬などがその例です。経過はアミロイドーシスの種類によって異なりますが、多くの場合、適切な治療を受けなければ徐々に症状が進行します。アミロイドーシスは早期発見と治療法の選択が重要なため、専門医の診療が必要です。
新しいお薬が出るの、楽しみ!
新薬が出ても、副作用とか大丈夫なんかな?
治療法の進歩は、まさに医学の勝利ですね。
治療法の進歩と今後の展望
では、最後に治療法の進歩と今後の展望についてお話します。
公開日:2024/06/17
✅ トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー(TTR-FAP)は、TTR遺伝子の変異により、トランスサイレチンというタンパク質が異常な形で凝集し、アミロイドとして体内に沈着することで発症する遺伝性疾患です。
✅ アミロイドの沈着は末梢神経系、自律神経系、心臓、腎臓など様々な臓器に影響を与え、症状は脱力感、しびれ、排尿障害、起立性低血圧など多岐にわたります。
✅ TTR-FAPは常染色体優性遺伝形式で、親から子へ遺伝します。発症年齢や予後は遺伝子変異の種類やアミロイド沈着の影響を受ける臓器によって異なります。
さらに読む ⇒遺伝性疾患プラス - 遺伝性疾患プラス出典/画像元: https://genetics.qlife.jp/diseases/familial-transthyretin-amyloidosis治療法の開発が進んでいるのは、本当に素晴らしいですね。
治療法はこれまで対症療法が主体でしたが、近年は自己末梢血幹細胞移植を併用した大量化学療法、骨髄形質細胞を標的とした化学療法、肝移植、TTR四量体安定化薬、核酸医薬など、病気を治す療法も開発されてきています。予後は病型によって異なり、個人差がありますが、基本的に進行性で、治療しなければ予後不良です。全身性アミロイドーシスは、指定難病として、医療費助成の対象となります。全身性アミロイドーシスは、アミロイドと呼ばれる異常蛋白質がさまざまな臓器に溜まることで、全身に機能障害を生じさせる疾患です。進行が比較的速い点が特徴であり、早期の診断と治療が重要です。治療法は、アミロイドーシスの種類によって異なります。家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)では、肝移植や部分生体肝移植が根治的な治療法として有効です。特に初期に受けることで、疾患の進行を大きく止めることができます。AAアミロイドーシスは、炎症が原因となるため、原因となる炎症性疾患の治療が重要になります。リウマチなどの炎症性疾患の治療により、炎症を抑えることでアミロイドの沈着を抑制することができます。免疫グロブリン性アミロイドーシス(ALアミロイドーシス)では、早期発見された場合には、化学療法が適応されます。また、抗体を用いて沈着しているアミロイドを除去する治療も試験的に行われています。今後の展望としては、新たな薬剤開発が進んでいます。トランスサイレチン安定化剤 FAPの患者さんに対して、アミロイドの原因となる蛋白質の安定化を促すことで、アミロイドの沈着を抑制します。siRNA アミロイドーシスの原因となる肝臓で生成されるトランスサイレチンを抑制する薬剤で、大幅にアミロイド沈着の減少につながると期待されています。免疫療法 抗体を用いて沈着しているアミロイドを除去する治療法で、ALアミロイドーシスに対する効果が期待されています。これらの新しい治療法の開発により、全身性アミロイドーシスの治療は大きく進展すると期待されています。アミロイドーシスは、タンパク質の一種であるアミロイドが臓器に沈着することで起こる病気です。アミロイドーシスの種類や重症度によって余命は大きく異なり、一般的にALアミロイドーシスは進行が早く重症化しやすいとされています。重症例では6か月、軽症例では8年程度とされています。ATTRアミロイドーシスも診断から3.5年程度とされています。しかし、近年では治療薬の開発が進み、両タイプの生存期間の延長が期待されています。
えーっと、いろいろなお薬があるんですね…
ほんまに、病気って難しいなぁ。
今後の研究成果に期待したいですね。
全身性アミロイドーシスは、様々な課題を抱える一方で、治療法の開発が進んでいることがわかりました。
💡 全身性アミロイドーシスは、タンパク質の異常な蓄積によって引き起こされる疾患です。
💡 早期発見と適切な治療が重要で、今後の研究開発に期待されています。
💡 様々な種類のアミロイドーシスがあり、それぞれに適切な治療法があります。