JR東海『クリスマスエクスプレス』CMは、なぜ今も語り継がれる?「シンデレラエクスプレス」から生まれた物語とは!!?
山下達郎の名曲にのせて、遠距離恋愛のカップルの再会を描くJR東海の「クリスマスエクスプレス」CM。深津絵里、牧瀬里穂など人気女優が出演した、切なくも温かいストーリーに迫ります。
💡 「クリスマスエクスプレス」CMは、JR東海が1989年から制作・放送を開始したCMシリーズです。
💡 CMは、クリスマスの夜に恋人と再会する喜びを描いたもので、多くの人の心に響きました。
💡 CMは、新幹線を舞台に、人と人との物語を描いたことで、JR東海の広告戦略を成功させたと言われています。
それでは、最初の章として、CMの誕生秘話から紐解いていきましょう。
「シンデレラエクスプレス」から生まれた「クリスマスエクスプレス」
JR東海の「シンデレラエクスプレス」CMは何が成功した?
遠距離恋愛の共感
CMの誕生秘話、興味深いですね。

✅ 1989年放送のJR東海「クリスマスエクスプレス」CMは、国鉄民営化後の広告戦略の一環として、新幹線を舞台に「人と人との物語」を描くことで、多くの人の心に響く作品となった。
✅ CMは、当時社会現象といわれた「遠距離恋愛」をテーマに、シンデレラエクスプレスと呼ばれる日曜最終の新幹線に乗るカップルを描いている。
✅ CMは、速さやビジネス的な利点を前面に出すのではなく、遠距離恋愛の切なさやロマンを描き出すことで、新幹線を「人と人との物語」に結びつけ、JR東海の広告戦略を成功させた。
さらに読む ⇒さくマガ出典/画像元: https://sakumaga.sakura.ad.jp/entry/2020/10/07/120000時代背景と、CMの戦略がうまく組み合わさって、人の心を掴むCMになったんですね。
1989年、JR東海は、国鉄民営化後初めてのCMとして「シンデレラエクスプレス」を制作しました。
これは、東京発の新幹線「ひかり」をモチーフに、遠距離恋愛のカップルを描いたもので、松任谷由実の楽曲に乗せて、日曜最終の新幹線を「魔法が解ける瞬間」に例えていました。
このCMは、多くの人の共感を呼び、実際に日曜日の午後9時台の東京駅の新幹線ホームは、別れを惜しむカップルで溢れたというエピソードも残っています。
この「シンデレラエクスプレス」の成功を踏まえて、1989年に制作された「クリスマスエクスプレス」のCMは、現代人の心に響く魅力を秘めています。
当時の時代背景やCMの戦略などを交えながら、その魅力について考察していきます。
ほな、当時のカップルは、みんな新幹線に乗っとったんかな?
新たな広告戦略:新幹線を「人と人との物語」として
JR東海は、どのようにブランドイメージを変えようとしたのか?
新幹線を物語でアピール
新幹線のイメージ戦略、まさに時代の流れを感じますね。
公開日:2022/12/24

✅ 1980年代に「恋人たちの聖夜」というイメージが定着し、特に1988年のクリスマスイブは土曜日だったこともあり盛り上がりを見せました。
✅ 1989年からJR東海が開始した「クリスマス・エクスプレス」CMが、聖夜のイメージを全国に広めました。このCMは、山下達郎の「クリスマス・イブ」をBGMに、故郷に帰る恋人を駅で待つ女性の姿を描いており、大きな反響を呼びました。
✅ JR東海の「イメージ重視」のCM戦略は、当時のJR東日本の「即物的」なCM戦略と対照的でした。JR東海は旬の女優を起用し、聖夜のロマンチックな雰囲気を強調したCMで、視聴者の印象に残るCMを作り出しました。
さらに読む ⇒Merkmal(メルクマール)出典/画像元: https://merkmal-biz.jp/post/28763JR東海は、戦略的にCMを制作することで、新幹線のイメージを大きく変えたんですね。
JR東海は、国鉄時代のイメージから脱却し、民営企業として新たな広告戦略を必要としていました。
そこで、新幹線を「人と人との物語」という側面でアピールすることを選択しました。
1989年の「クリスマスエクスプレス」は、その戦略に基づいて製作されたCMであり、クリスマスの夜に恋人と再会する喜びを、美しく、そして切なく描き出しています。
このCMは、単に新幹線の宣伝という枠を超えて、人々の心に響くストーリーを伝え、JR東海の新ブランドイメージ確立に貢献しました。
時代背景と、CM戦略がうまく組み合わさると、このように素晴らしい結果を生むのですね。
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「クリスマス・エクスプレス」CM撮影地、名古屋駅!銀の時計付近など、懐かしの場所をチェック!